神奈川県　大和偽装自殺殺人事件２６「誘導尋問再検証」

（誘導尋問）
とにかく息子はいや息子と称する男は私の前に現れた。しかし、私は最初はそれが息子に扮した赤の他人であるとは夢にも思わなかった。 その私の前に現れたニセ息子の動作で印象に残るのは部屋に入ってもかぶったまま帽子を脱ごうとしなかった事である。そしてキャップを時折脱いでツルツルで一本の毛も生えていない頭をまるで髪型を直すような手つきで手で撫で上げたり撫で回したりしてキャップをかぶり直す動作である。 いかにも髪の毛がないということをアピールしてるように感じられてならなかったのだがそれならばなぜキャップを取ってずっとつるつるの頭を晒さなかったのか？・・という疑問が残る。それはたぶんニセ息子のスキンヘッドの頭にあった赤いアザが目立ちすぎるからキャップを取ったまま長時間私と対面する事を避けたのだと考えている。私が自殺で死んだ息子とオフィスに息子だと名乗って現れた男が別人だと考えている点は今の所その髪型の1点しかない。
Ｈの息子が間違いなく自殺したと大和警察の強行犯係の神戸（かんど）刑事から聞いた時にいくつかの誘導の質問を行った。 その時に私は神戸刑事に対して「息子さんは特徴的な髪型をしていましたよね？」と聞いた。すると神戸刑事は「短い髪型ですよね。」と答えた。私は、あの頭を見て「短い髪型」という表現をするだろうか？ 髪が短いのと毛が一本も生えていないのは明らかに違うのであるから・・と考えてさらに神戸刑事に鎌をかけてみた。
私「私のオフィスに来た時から数日経っていますが、カミソリで剃ったように青々としていましたか？　死んだらテカリなんかはないのかも知れないけど・・」とわざわざ神戸刑事の頭が「剃刀」「青々としてテカっていた」という違う視点に向けられるように仕向けた。すると神戸刑事の口から「そうですね！苔が生えたような感じの短い髪型でした」という言葉が出てきた。 その瞬間に私は間違いなく死んだのはＨの息子であったとしてもオフィスを訪れたスキンヘッドの 偽息子ではないと確信したのである。


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